コラム
通信制高校とはどんな感じ?授業内容、服装や校則について解説
全日制高校と比べ、イメージが掴みにくい通信制高校。「どのような場所かわからない……」と進学や編入に一歩踏み込めない人もいるのではないでしょうか。しかし、ご安心ください。通信制高校は、一言で言えば「自由」と「多様性」がある環境です。
ここでは普段の生活のことから、卒業に必要なこと、将来性、実際に通っている人まで、詳しくご説明します。
目次
通信制高校の学校生活はどんな感じ?
通信制高校ではどのようなカリキュラムやルールがあるのでしょうか。部活や留学についても気になるかもしれません。どのようなスタイルで学習でき、どのような高校生活が送れるのかをご紹介します。
服装のルールや校則
「厳しい服装ルールや校則があると窮屈に感じそう」と不安な人もいるかもしれませんが、通信制高校は基本的に「自己管理のもと、自分に合ったスタイルで通うことができる場所」です。
まず服装について。ほとんどの通信制高校では、決まった制服や服装ルールはありません。登校する際も多くは私服でOK。それぞれの生徒が自分らしく、楽に過ごせる姿勢で授業に臨んでいます。また、中には制服のある通信制高校もあります。有名ブランドとのコラボ制服を展開している学校もありますが、ここでも原則として厳しい着用ルールはないと考えてよいでしょう。ちょっとしたアレンジを加える程度は、特に注意される心配はありません。
なお、入学式や卒業式などといったフォーマルな場所では、スーツや指定の制服で参加するのが無難でしょう。
次に、校則について。「アルバイト禁止」ということはまずないと考えてよいでしょう。なぜなら通信制高校の生徒には、仕事しながら学ぶ人も多いからです。立派な社会人として働いている人も、経済的な理由や社会勉強のためにアルバイトしている人も珍しくありません。
ただしその分、社会人として当たり前の礼儀やマナーは身に着けていることが前提です。周りに迷惑をかけないような立ち振る舞いを心がけましょう。
基本的には自宅で学習
平日の日中に通う全日制高校と比較して、通信制高校は基本的に毎日学校へ通うことはありません。自宅などで自主的に学習を進めていきます。日頃はテキストやオンライン講座で学び、定期的に登校(スクーリング)して直接先生から指導を受けます。
そのため、生徒それぞれの事情に合った学習をすることができます。例えば、仕事をしながら通う人は両立できるように調整しながら授業を受けられますし、体調面で事情がある人は、無理のないタイミングで学ぶことができます。また、中学校や全日制高校の校風が合わなかったり、人間関係で悩んだりしたことから通信制高校を選んだ人もいるかもしれません。そういった人も、なるべく自分のペースを保ちながら勉強できるでしょう。
通学頻度は学校によって異なる
通信制高校は私立から公立まで多数あり、そのスタイルや様式は、学校や選択するコースによって異なります。そのため、スクーリングの頻度や進め方もさまざまです。スクーリングが週1~5日と全日制高校のように授業を進める学校もあれば、年に一度だけ5日~1週間ほど集中して登校する合宿スタイルの学校もあります。
注意したいのは、スクーリングへの参加は必須ということ。遠方から通う人や、仕事などと両立している人、体調面で不安のある人は、自分に合ったスクーリング頻度の学校を選ぶことをおすすめします。また入学・編入後も、あらかじめスケジュールを確認しておくとよいでしょう。
スクーリングは「わからないところを直接教えてもらいたい」と考える人にとって絶好のチャンスです。また一人でゆっくり勉強したい人にとっても、疑問点の解決や気分のリフレッシュのために良い機会となります。全日制高校にはない、自宅と学校の二つのスタイルの学習を楽しめそうです。
レポートは必ず提出する
レポートは必ず提出しましょう。「レポートって、大学生の授業や研究論文みたいに、長い文章を書くのかな……?」と考える人もいるかもしれませんが、ほとんどの場合は異なります。多くのレポートは、穴埋めなどの簡単な記述式のものです。教科書やテキスト、その他の教材を参考にしながら進めれば、そこまで難しいものではありません。「日頃の学習の理解度を簡単に確かめるもの」と捉え、気軽な気持ちで取り組みましょう。
そもそもレポートは、単位を修得するための「単位認定試験」を受けるために必須のものです。学校によってその基準は異なりますが、提出状況が悪いと試験を受ける資格を得られないこともあるので気を付けなければなりません。スクーリング同様、レポートの提出〆切などはしっかりと記録し、常に意識しながら勉強を進めることをおすすめします。
またレポートの内容は、単位認定試験の出題内容にも関わります。レポートは主に郵送などで提出し、先生が添削した後に返却されます。間違えた問題や覚えておくべき箇所はしっかり復習し、試験に備えましょう。
通信制高校を卒業するための条件
通信制高校の卒業資格を得るために必要な条件は3つあります。それは、「在籍期間3年以上」「74単位以上の修得」「特別活動30単位の修得」です。一つひとつ詳しく見ていきましょう。
- 在籍期間3年以上
こちらは自分の高校生活全体で換算して問題ありません。例えば別の高校から新しく通信制高校へ編入した場合は、前の高校に在籍していた期間と、新しく入った高校のトータルで3年以上在籍していれば、クリアしたことになります。
- 74単位以上の修得
また、上記で触れた3年以上の在籍期間の中で、合計74単位修得する必要があります。また専門学科へ入学・編入した場合、プラスしてその専門科目・専門学科から計25単位以上の単位を得ることも求められます。それぞれの単位を取るには、日頃の勉強はもちろん、レポートの提出やスクーリングへの出席をきちんとこなし、単位認定試験の受験・合格することが必要です。
- 特別活動30単位の修得
特別活動とはホームルームの他、例えば体育祭や修学旅行といった学校イベントが該当します。3年間のうち、こういった特別活動に30単位分参加することが必要です。頻度やスケジュールは学校によって異なるため、できる限りチェックしておくとよいでしょう。
友達はできる?
「毎日学校へ通うわけじゃないから、3年間友達なんてできないかもしれない……」と、考える人もいるのではないでしょうか。しかし、さきほど触れたようなスクーリングや特別活動といった対面のイベントは、友達を作る大きなきっかけになっています。
もちろん「人間関係で悩んできたから、高校生活では静かに過ごしたい」という方は、無理して友達を作る必要はありません。ですが、いざスクーリングや特別活動に参加してみると「想像していたよりも楽しかった」という人が多いようです。
また通信制高校にはさまざまなバックグラウンドを持つ人が集まっています。大人になって仕事しながら通う人も多いため、さまざまな年齢の人と知り合いになれるのも面白いところです。全日制高校ではあまり見られない魅力ではないでしょうか。
ちなみに通信制高校では単位が重要な基準であり、学年という概念はあまりありません。仲良くなるまでは敬語で話すことをおすすめしますが、先輩・後輩といった生徒同士の上下関係をあまり意識する必要はなさそうです。
部活動はある?
自宅学習の時間が多い通信制高校ですが、実は部活動も盛んです。バスケットボール部、ダンス部など、豊富に揃えている学校が多いです。「全国定時制通信制体育大会」という全国的な大会もあり、競技ごとでも「全国高等学校定時制通信制陸上競技大会」「全国高等学校体育連盟定時制通信制部剣道専門部」といったコミュニティがあるようです。
もちろん体育系だけでなく、文化系の部活もあります。吹奏楽部や書道部など、自分が気になる通信制高校にどんな部活があるかチェックしてみましょう。これからの高校生活がさらに楽しみになるかもしれません。
学生寮について
「希望するコースや条件の通信制高校が近隣にない」「移動時間をかけずにスクーリングしたい」という人には、学生寮で暮らしながら学ぶという方法もあります。通学時間や交通費を削減できる他、寮で栄養バランスの整った食事を取れることも魅力です。
また「親元を離れて自立しながら規則正しい生活を送りたい」と考えている人も、ぜひ検討してみてください。学生寮のある学校は限られますが、通信制高校への入学・編入が、今までの暮らしを変えるきっかけになるかもしれません。
留学について
「高校生での留学は全日制高校でないとできない」というイメージがあるかもしれませんが、近年は英語留学を企画している通信制高校が増えています。小学生のうちから英語が必須科目になった今、大学受験や就職試験に向けて英語力をものにしたいという人もいるでしょう。また進学や就職だけでなく、新たな価値観にも巡り合うことができ、人生の可能性が広がるかもしれません。
学校にもよりますが、通信制高校にもさまざまな語学研修プログラムがあります。例えば「高校留学」では1ヶ月~数ヶ月間、提携している海外の高校に留学します。「語学留学」では夏休みなどの1~2週間程度で海外に赴き、現地の語学学校に通います。海外の一般家庭に滞在する「ホームステイ」では語学だけでなく、現地の生活や文化も体験しながら知ることができるでしょう。
何を学びたいか、どれくらいの期間行きたいか、費用はどれくらいかけられそうかなどを検討して、自分に合った留学にトライしましょう。
通信制高校のサポート体制について
自宅での学習時間が多い通信制高校。その分、勉強でわからないことを質問したり、悩みを相談したりできるサポート体制が整っている学校が多いです。もちろん勉強中に生まれた疑問だけでなく、進路や普段の悩みなどを相談できるようなメンタルケアの先生がいる学校もあります。
タイミングとしては、いつでも相談に乗ってもらえると考えてよいでしょう。オンライン授業やスクーリングのタイミングで先生とコンタクトを取るのはもちろん、直接話す日でなくても、メールや電話、対面などで対応してくれます。
カリキュラムや時間割などの自由度が高い分、自己管理が欠かせない通信制高校。ときには周りの助けを借りることも大切です。どのようなサポート体制があるのか、気になる通信制高校の説明会などで聞いてみましょう。
通信制高校はどんな人が通っている?
続いては、どのような人が生徒として通っているのかをご紹介します。
学業とは別に目指すものがある人
「将来はスポーツや芸能活動を仕事にしたい」と、学業と両立してスキルを磨く人も通信制高校に通っています。というのも、一般的な全日制高校では平日日中のほとんどの時間を授業に割かなければならないため、スポーツの練習や大会、芸能活動の稽古や仕事と両立することが難しいからです。その点で通信制高校は自分でカリキュラムや時間割を組めるため、自分に合ったスタイルで学業に励めるのです。
自分の体調に合わせて学びたい人
体調面の理由で、毎日決まった時間に起きて学校へ出かけることが難しい人もいます。また体が弱い人は通院や突然の欠席が重なることで、全日制高校では単位をうまく取ることができないケースがあります。一方で、自宅での学習が多い通信制高校では、自分の体調と向き合いながら、うまく勉強時間などを調整することができます。
不登校や退学などを経て、もう一度学びはじめた人
授業で躓いてしまったり、人間関係に悩んだりと、何らかの壁にぶつかって学校へ行けなくなった人、やむなく退学してしまった人もいます。通信制高校は、そういった人が「もう一度学校へ行こう」と決めて、心を新たに入学・編入する場でもあります。久しぶりの学校生活ということもあり、全日制高校のような時間割や集団生活を不安に思う人もいるかもしれません。その点で通信制高校は、少しずつ学校生活や勉強に慣れることができます。
仕事と勉強を両立している人
通信制高校には、中学卒業後にすぐに就職して、「もう一度勉強したい」と学業に励む社会人もいます。また経済的な理由で、アルバイトをメインにしながら両立して勉強している人もいます。通信制高校では単位が重視され、学年という概念があまりないため、年齢を気にする必要もありません。その分、オンライン授業やスクーリング、特別活動などでは、さまざまな年代の人と関わることができるのが魅力です。
通信制高校なら、開志創造高等学校
「自分らしく学びたい」―そう考える人に、開志創造高等学校をおすすめします。
当校では決められたカリキュラムや時間割はなく、一人ひとりの価値観、将来の夢をベースにして決めることができます。「Myオンライン学習」では高校生活のほとんどをオンラインで過ごせる他、年2回のスクーリングも、自分に合ったタイミングを選べます。
また選考もバリエーション豊富です。進学に向けて走り出せる医学科・難関大専攻から、アニメ・漫画専攻、eスポーツ専攻といった“好き”を活かした学びまで幅広く用意しています。
開志創造高等学校の理念は、「開志・自立・創造」です。変化の激しい社会の中で、新たな課題に出会ったときも、自分なりの解決方法や視点、価値を見いだせる。―“自分らしく学ぶ”を大切にしながら、そんな自分に成長しませんか。
まとめ
通信制高校では、自分らしく学ぶことができ、部活や留学制度なども充実していることがわかりました。またさまざまなバックグラウンドや目標を持つ人がおり、年齢も幅広いです。全日制高校とはまた違った多様性がある場所だと言えるでしょう。自由に学べる環境と、いろいろな境遇の人との出会いを楽しみながら、充実した高校生活が送れるのではないでしょうか。
進学先・編入先の一つとして、ぜひ通信制高校を検討してみてください。