通信制高校の入学試験の内容とは?受験資格や条件を解説
通信制高校は、年齢や経歴に関係なく広い間口で入学者を募集しています。
とはいえ通信制高校でも入学試験を受ける必要があり、相応の対策をとることが重要になります。
全日制高校と比較すると難易度は低いとされていますが、具体的にどういった内容の試験が行われるのでしょうか。
今回は通信制高校の入学試験の内容や受験資格、試験対策、必要な書類や落ちてしまうケースなどについてもご紹介します。
目次
通信制高校の受験資格と入学条件とは?
通信制高校の受験資格としては「中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業した者」またはこれと同等以上の学力が認められていることが必要となります。
既に高校を卒業している場合は対象外です。
基本的な受験資格・入学条件は上記のみで、年齢や経歴の決まりはありませんが、入学の種類別に細かく異なります。
新入学 | ・中学校卒業見込みの人・中学校を卒業し、高校へ在籍していない人 |
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転入学 | ほかの高校に在籍中の人、休学中の人 |
編入学 | 高校を中途退学した人 |
通信制高校に入学する生徒は、中学卒業直後の人や既に社会人を経験している人など
さまざまに分かれます。年齢や経歴は多種多様で、異なるバックグラウンドをもつ生徒と同じ学校に入学することとなるため、自身の成長にもつながるでしょう。
また公立の通信制高校では、学校がある都道府県に居住、または勤務していることが条件となります。私立の広域通信制高校では学校により学区はさまざまですので、ぜひ調べてみて下さい。
※通学可能な区域については、以下の記事も参考にしてみてください。
「通信制高校の選び方とは?知っておきたいポイントを解説」のリンクか、区域についての記事へ誘導するのはいかがでしょうか
通信制高校の入学試験内容
通信制高校の入学試験内容は、基本的に面接・作文・書類審査となり、筆記試験が実施される学校は多くありません。
筆記試験が実施される学校では主に国・数・英の3教科で行われ、選考を筆記試験で行うことは少ないとされています。通信制高校の入学試験では、勉強への姿勢や態度が重視されるためです。
全日制高校の入学試験では学力レベルでふるいにかけられることが多いため、勉強に自信が無い場合には通信制高校の方が合格しやすいとも言えるでしょう。
また、通信制高校の入学試験の難易度はそれほど高くないとされています。前述の通り、全日制高校では試験の結果によりふるいにかけられますが、通信制高校では試験の結果を踏まえて「受け入れる」ことを前提としています。
このことから、勉強に対する姿勢や態度をはかるための面接・作文・書類審査が重視されているのです。
面接の質問例
通信制高校の入学試験の面接では、主に以下のようなことを聞かれます。
- 志望校に関する質問、志望した理由
- 入学中に学びたいこと
- 将来の夢
- 中学生活での活動
- 趣味や長所、短所
通信制高校での面接は、基本的に合否を決めるためではなく生徒一人ひとりの特性を見極めるために行われます。そのため、お手本のような回答をするのではなく、率直な自身の気持ちや経験を伝えるのが良いでしょう。
加えて、これまでの成績や不登校についてなど、話しづらい内容に触れる場面もあるかもしれません。しかしこういった内容について深堀されることは少なく、合否が大きく左右するわけではないためリラックスして臨みましょう。
本番で戸惑わないためにも、ある程度面接の練習をしておくことをおすすめします。入学試験のためだけでなく、面接対策を行うことは自己理解を深めるきっかけにもなります。高校入学前の心の整理として、丁寧に準備しておくと良いでしょう。
作文のテーマと書き方の例
通信制高校の入学試験の作文は400~800文字程度とされており、面接の前に作文を提出し、その内容を踏まえて面接が行われるケースが多いです。
テーマはさまざまですが、主に以下のようなものがあります。
- 志望した理由
- 入学中に学びたいこと
- 将来の夢
- 中学生活での思い出
前述した面接で聞かれる内容と重なる部分が多いため、作文の内容と矛盾しないように注意が必要です。
また作文は事前に提出するか、会場で受験当日に書くかのパターンに分かれます。
事前に提出するパターンではテーマに対してじっくり考えることができますが、当日に書くパターンでは時間内に書きあげられるか心配になるかもしれません。
そのため、試験時間を30分等と想定して事前に作文を書く練習をしておくと良いでしょう。
通信制高校を受験する際の対策は必要?
ここでは、通信制高校の入学試験を受ける際の対策について、ご紹介します。
身だしなみに気を付ける
面接では、身だしなみや服装により第一印象を大きく左右します。自信を持って面接に臨むためにも、十分に気を付けていくことをおすすめします。
制服やスーツでなくても構いませんが、カジュアルな服装は避け、また髪型も清潔に整えておきましょう。不安であれば、現在通っている学校の制服やスーツ、オフィスカジュアルなどを選ぶと良いでしょう。
制服の場合、ボタンをすべて占める、ズボンやスカートの裾の長さを整えるといった点も重要になります。
態度やマナーに気を付ける
面接の際は、態度やマナーにも気を付けることが大切です。前述の通り、通信制高校の入学試験では学力より勉強への姿勢や態度を見られることが多いため、面接での態度は重要な判断材料となります。
たとえ学力があったとしても、敬語が使えなかったり返事をしなかったり、また足を組んでいたりといった態度では不合格になる可能性もあるでしょう。
面接で良い印象を与えるためには、姿勢を正してハキハキと受け答えをすることが大切です。完璧に敬語を使うことは難しくても、できるだけ丁寧に言葉を選び、誠意を伝えられるよう気を付けましょう。
面接の回答を考えておく
面接当日はある程度緊張することを想定し、事前に回答を考えておくことが重要です。場当たり的な受け答えでは、せっかく誠意があっても思うように伝えられないかもしれません。
繰り返しにはなりますが、面接では主に以下のようなことを聞かれます。
- 志望校に関する質問、志望した理由
- 入学中に学びたいこと
- 将来の夢
- 中学生活での活動
- 趣味や長所、短所
事前に作文の提出や、書類審査がある場合にはそれらの内容に沿って答えることを心掛けましょう。通信制高校の面接の雰囲気は和やかなものが多いと言われているため、優等生のような回答を準備する必要はありません。
そのため一言一句決めておくのではなく、作文等と矛盾しない程度に大まかにどう答えるか考えておくと良いでしょう。
志望校について調べておく
面接や作文の準備をする際には、志望校についてよく調べておく必要があります。
例えば「大学進学への対策が整っている」「部活動が充実している」「専門分野に特化している」など、学校によって特徴はさまざまです。
面接や作文で問われる可能性のある、志望理由や入学中に学びたいこと、将来の夢などに対してスムーズに答えるためにも、まずは志望校のWebサイトや学校説明会を活用して情報収集をしておきましょう。
作文の内容を考えておき、丁寧に書く
前述しましたが、試験当日に作文を書くパターンの場合、制限時間内に書き上げなければなりません。焦らないためにも、事前にある程度テーマを想定し「〇〇というテーマに対してはこう書く」といったように内容をいくつか考えておくと良いでしょう。
通信制高校での作文は、上手い下手よりも、丁寧に書かれているかどうかが重視されます。合否を判断する面接官も人間ですから、殴り書きの字や雑に書かれた文章では熱意を感じづらいでしょう。
そのため、まず前提として面接官が読みやすいように丁寧に書くことが大切になります。
また作文を書く際は、鉛筆で下書きをすることをおすすめします。はじめからボールペンを使ってしまうと誤字脱字があった際に書き直しとなるため、鉛筆で全体を書き終えた後にボールペンで清書するようにしましょう。
通信制高校の入学試験の時期
全日制高校と異なり、通信制高校の入学試験の時期は学校によってさまざまです。
一般的に、公立の入学は4月、私立の入学は4月・10月となる場合が多いようです。転入学・編入学でも、4月・10月となるケースがほとんどです。
いずれの場合でも、入学試験は入学の1ヶ月ほど前に行われることが多いですが、学校によって異なるためまずは志望校のWebサイトや資料などから調べておくと良いでしょう。
通信制高校を受験する際に必要な書類と費用について
通信制高校を受験する際には、以下の書類と費用が必要になります。
●入試に必要な書類
入学願書 | 学校指定の用紙に記入し、顔写真を添付する (本人と保護者、それぞれ記入欄あり) |
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卒業証明書 | 新入学希望者のみ必要(転入の場合は在学証明書、編入の場合は在籍証明書) |
調査書 | 新入学希望者のみ必要(転入・編入の場合は成績・単位修得証明書) |
住民票記載事項証明書 | 公立の場合のみ |
●入学選考料
私立 | 5,000円~15,000円 |
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公立 | 500円程度 |
必要な書類や費用は学校によって細かく異なりますので、それぞれ志望校のWebサイトを確認したり問い合わせたりすることをおすすめします。
出願書類の提出方法は、定められた期間中に直接通信制高校まで持参するか、郵送するのが一般的です。
受験料を支払うタイミングも学校によってさまざまで、出願前に振り込む場合や、出願書類を提出する際に窓口で支払う場合もあります。一部の学校ではコンビニ払いなどを取り入れているため、ぜひ調べてみてください。
通信制高校・全日制高校の受験は併願可能?
通信制高校・全日制高校の併願は可能です。そのため、「全日制に通いたいけど学力が足りない」「不登校だったから全日制は厳しいかも」とはじめから諦めて通信制高校のみに絞る必要はありません。
全日制高校への合格が難しいと考えられる場合でも、通信制高校と併願しておくと良いでしょう。
しかし、学校によって入試・入学時期や制度が異なるため、事前によく調べることをおすすめします。
通信制高校の受験に落ちてしまうケースとは?
通信制高校の入学試験で落ちるケースはほとんどありませんが、不合格になる可能性もゼロではありません。
落ちる要因としては面接によるものが多いため、気を付けておくようにしましょう。
素行や態度に問題がある
通信制高校には多種多様なバックグラウンドをもつ生徒が入学するため、中には学校でのいじめによりトラウマを抱えてしまった生徒などが居る可能性もあります。
こういった生徒を守るためにも、いじめや法律違反の過去があるなど素行が悪い場合には落とされることもあるでしょう。
加えて、面接時に言葉遣いが悪かったり足を組んだまま受けたりなど、あまりに態度が悪いと不合格になる可能性があります。
ルールを守れないと判断される
全日制高校と比べると、通信制高校でのルールは少ないというイメージがあるかもしれませんが、実際には飲酒や喫煙の禁止など最低限の決まりは存在します。
こういったルールが守れないだろうと判断されてしまうと、不合格となるケースがあるようです。
加えて、提出物の期限や規定を守れるか、スクーリングへ参加できそうかといった点も判断されます。
そのため入学試験時の面接や提出物を雑に済ませてしまうと「卒業できないだろう」と判断され、落とされる可能性がでてくるでしょう。
早期に募集が締め切られる
通信制高校の入学にも、定員があります。特に人気のある通信制高校では、応募者が多いことで予定より早期に募集を締め切る場合もあるようです。
そのため、志望校が決まっているのであれば早い段階で入学願書を出しておくことをおすすめします。決めかねている段階でもまずは資料請求をして、先に募集期間についてチェックしたうえで検討すると良いでしょう。
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まとめ
今回は通信制高校の入学試験の内容や対策、必要な書類や落ちてしまうケースなどについてご紹介しました。
通信制高校の受験資格としては「中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業した者」とされており、試験内容は主に面接・作文・書類審査となります。
通信制高校の試験で重要視されるのは勉強に対する姿勢や態度であるため、こういった熱意が伝わるように準備をしておくことが重要です。
面接の際には身だしなみや服装、態度に気をつけるほか、ある程度回答する内容や作文で書く内容を決めておくと良いでしょう。一言一句用意する必要はありませんが、当日は緊張することを考えて準備を進めることが大切です。
また入学試験の時期や提出書類、費用などは学校によって細かく異なります。人気のある学校では早期に募集を締め切る場合もあるため、早い段階で資料請求をしておきましょう。